米国国防総省による核態勢の見直し(137)

 

 米国国防総省のウェブサイトに2018年2月に掲載された「核態勢見直し(NPR)」を当ブログで和訳したものを、順次紹介しています。

 

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           核態勢見直し

       NUCLEAR POSTURE REVIEW

 

          2018年2月  

 

            国防長官府
     OFFICE OF THE SECRETARY OF DEFENSE

 

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VII. 米国の現在と将来の核能力

   Current and Future  U.S. Nuclear Capabilities

  

三元戦略核戦力の三つの柱

The Three Legs of the Strategic Nuclear Triad

  

陸上の抑止力

Land-Based Deterrent Force

 

逆に、大陸間弾道弾ミサイルの戦力がなければ、港に停泊の弾道ミサイル原子力潜水艦と警戒解除の爆撃機を含めて、三元戦略核戦力の大部分は、比較的少数の核兵器を含む先制核攻撃に屈するのである。大陸間弾道弾ミサイルを迅速に発射する 米国の能力は、その発射の前に敵が大陸間弾道弾ミサイルを破壊する能力への自信を敵に失わさせるのである。この選択肢は核の先制攻撃の抑止に貢献する。

 

米国は、信頼と安全保障を培う手段として、日常、戦略核戦力の外洋ターゲテイングを引き続き維持する。加えて、潜水艦発射弾道ミサイルに似て、大陸間弾道ミサイルが敵の弾道ミサイル防衛での進歩の可能性にもかかわらず有効性を維持するように米国は行動する。大陸間弾道ミサイルの戦力は、高爆発力で正確な武器と大陸間の射程を有し、ユーラシア大陸を通してターゲットを危険にさらすのである。 

 

また、大陸間弾道弾ミサイルは迅速であり、どんなターゲットにも30分あるいはそれ以内で到達できる。さらに、大陸間弾道ミサイルの一部は必要であればアップロードされ、そのことは米国のヘッジ能力に貢献する能力となっている。

 

ミニットマンⅢ大陸間弾道ミサイルは1970年に初めて配備され、10年間の使用寿命が計画されていた。一連の寿命延長策によって、ミニットマンⅢは計画よりも長く使用されてきたが、部品の老朽化と在庫の消耗のためミニットマンⅢは急速に寿命に近づいている。

 

2002年から2012年に、ミニットマンⅢはその寿命を2030年に延長するために寿命延長のプログラムを実施した。その時点になると、ミニットマンⅢの使用実績は60年となり、世界で最も古く配備された戦略弾道ミサイルになるのである。その寿命はそれ以上延長することはできない。さらに、ミニットマンⅢは、将来において敵の防衛を貫通することがますます難しくなってくる。

 

続く