米国国防総省による核態勢の見直し(73)

 

米国国防総省のウェブサイトに2018年2月に掲載された「核態勢見直し(NPR)」を当ブログで和訳したものを、順次紹介しています。

 

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           核態勢見直し

       NUCLEAR POSTURE REVIEW

 

          2018年2月  

 

            国防長官府
     OFFICE OF THE SECRETARY OF DEFENSE

 

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III. 米国の核能力はなぜ必要か? 

   Why U.S. Nuclear Capabilities?

 

米国の核能力

U.S. Nuclear Capabilities

 

先の国防長官のウイリアムペリーとジェームスシュレシンガーによって主導された超党派議会戦略態勢委員会が2009年に強調したように、「核兵器の全世界からの廃絶を可能にする状況には現在なく、また、その状況の実現には世界の政治秩序の根本的な変革が必要となる。」そのような根本的な変革は起こったことがなく、また、起ころうともしていない。

 

核抑止力が出現した時代の前の数世紀に渡って、大国間の間に周期的に起こる悲惨な戦争は通常であり、かってないほどの破壊的な武器で争われ、社会にかってないほどの死傷者と損害をもたらした。

 

20世紀の前半の時期また米国の核抑止の導入のちょうど前に、世界では、第一次世界大戦と第二次世界大戦の比較的短い戦争の時期に渡って8000万人から1億人の死者が発生し、一日に換算すると平均3万人を超える死者の発生となった。

 

米国の核抑止の導入以来、米国の核能力は、核による侵略と核を用いない侵略の抑止に不可欠な貢献を果してきている。それに拠る大国間の紛争の発生がないことは、図2に示すように、世界で戦争によって失われた命の数の劇的でまた継続している減少と一致するのである。

 

続く