なぜプルトニウムがウランよりも危険視される?

プルトニウムがテロリストの手に渡ると原爆を含めた核兵器を作りかねないということで、プルトニウムは極めて危険視されています。原爆を含めた核兵器を作れるウランよりもプルトニウムが危険視される度合いが大きいのはなぜなのでしょか?

 

毎日新聞の新連載である「核回廊を歩く」(戦後70年に向けて)に断片的ではありますが、その回答となりそうな説明がありました。「プルトニウムの方が、核兵器の小型化に適しているから」という説明です。以下に引用します。

 

<毎日新聞、2014年8月12日朝刊から引用>

広島型原爆(15キロトン)より威力の大きい20~30キロトンの核兵器を作る場合、ウラン型なら500~600キロほどの重量になる。だが、プルトニウムを使えば、「100キロ以下」だ。

 

「プルトニウムを使えば、ゴルフボールぐらいの大きさのものを作れる。小型核を作るには、プルトニウム型の開発が不可欠だ」

 

ミサイルの飛距離は、弾頭の重さに反比例する。ソフトボールより野球のボールの方が、遠くまで投げられるように、小型核を使えば、遠くまでミサイルを飛ばすことが容易になる。

 

引用は以上です。

 

別の資料では、他の理由としては、ウランの場合には濃縮の工程のため割高になることが挙げられています。また、プルトニウム239は臨界量(critical masss。核分裂が連鎖して継続するために必要な最小の質量。これ以上の質量の核分裂物質があると原爆が可能になる)がウラン235、ウラン233と比べて一番小さいこともその理由として挙げられています。これは原爆を含めた核兵器の小型化を可能にします。プルトニウム239の臨界量は10キログラムで、球の形であれば9.9センチメーターの直径の大きさです。ウラン235では22キログラム(直径が17センチメーター)またウラン233では15キログラム(直径が11センチメーター)とされています。この臨界量は技術的な工夫をすることによってさらに小さくできます。プルトニウムでは、何と1.5キログラムという少量で臨界にできるそうです。これはゴルフボールより小さいようです(小さい町を破壊できる威力と思われます)。この小さくなった臨界量は超臨界量(supercritical mass)と呼ばれています。

 

<参考>

長崎に1945年8月9日に投下された原爆、ファットマン(Fat Man)はプルトニウムが6.2キログラムという少量でソフトボールのサイズでした。これでTNT火薬の21キロトンもの威力です。なお、実際に核分裂を起こしたのはそのうちの1.1キログラムだけということです。ファットマンそのものは全重量が4.6トンとなっています。

 

広島に1945年8月6日に投下された原爆、リトルボーイ(Little Boy)は64キログラムものウラン235を含んでいたということです。威力は15キロトンです。実際に核分裂を起こしたのはそのうちの1.38%(0.88キログラム)だけでした。全重量は4.4トンとなっています。

 

以上の長崎と広島の原爆に関する情報は、参考資料1によるものです。

 

<参考資料>

1.The Manhattan Project Heritage Preservation

      Association, Inc のウェブサイト 

http://www.mphpa.org/classic/HISTORY/fat_man.htm

 

以上