ひとくちメモ 原子炉の中性子

原子炉の中では核分裂で多量の中性子が発生します。この中性子にはほとんど静止しているぐらいの中性子から極めて高速で飛ぶ中性子までが含まれます。

 

現在世界で稼動している原子炉(軽水炉など)の大部分は、このほとんど静止しているぐらいの中性子を用いるため、発生した高速の中性子を減速材に衝突させて減速させます。この減速された中性子は熱中性子と呼ばれます(なぜ、熱という言葉が使われるかというと、中性子が周りの原子と熱平衡という状態にあるためです)。このような原子炉は熱中性子炉と呼ばれます。熱中性子はウラン235を核分裂させるのに効率が良い中性子なのです。

 

一方、高速増殖炉と高速炉では極めて高速で飛ぶ中性子が用いられるため、中性子を減速せずに高速中性子のままで利用します。このような原子炉は高速中性子炉と呼ばれます。このような高速中性子は、熱中性子炉の熱中性子とくらべると、1000倍ほども高速です。

 

高速中性子はこのようにものすごいエネルギーをもった粒子ですので、それだけに高速炉や高速増殖炉は安全性の点では本質的に現在の原子炉よりも危険度が高いことが認識されています。

 

以上